物体や空気・液体などの温度を測定するために、接触式または非接触式の温度計センサーを使用する方法があります。接触式の温度計は、対象物に直接触れて素子が同じ温度になるのを待つ必要があります。これに対して非接触式センサーのほうは、対象物に直接触れることなく温度を計測することができます。一般的に熱エネルギーを持つ物質は周囲の空間に赤外線を放射させていますが、放射される赤外線のピーク波長は温度によって比例して変化するという性質があります。
そのため、物質から空間に放射される赤外線のピーク波長を測定すれば温度を知ることができます。非接触式の温度計センサーはこのような仕組みを応用したもので、赤外線を「見る」ことで温度のデータを得ることができます。このタイプの温度計は赤外線のピークを計るだけで済むことから、阻止に熱が伝わるのを待つ必要がありません。そのため測定時間が非常に短く、数秒で温度が判明します。
非接触式の温度計センサーの大きなメリットは、物体に触れることなく短時間で温度の測定ができることです。高速で動いている物体や高温で近づくと危険な場合に、非接触式タイプのセンサーが利用できます。ほかにも、広い範囲で温度を測定したいような場合にも用いられます。接触することなく温度測定ができるのことから衛生的で、細菌やウイルス感染のリスクがあるような場合でも体に触れることなく人の体温を測定するのに用いられることもあります。