HACCPは食品をより安全に製造することができるようにアメリカで考えられた管理手法で、HazardAnalysisandCriticalPointの頭文字をとっています。世界保健機関と国連食糧農業機関の合同機関であるCodex委員会が推奨したことから、アメリカだけでなくEUが義務化、ブラジルやカナダといった国々も一部義務付けを始めている手法です。日本からの輸出の際にも、国によってはHACCPの認証を受けていないと輸入してもらえることができない製品もあります。かつては日本でも厚生労働省の認証制度があり、HACCPの考え方を取り入れてはいましたが国際基準に達していない日本独自の食品安全管理の認証制度で、一部の事業者に対するものでした。
オリンピックが東京で開催することも見据えて2018年6月に衆議院で改正食品衛生法が可決し、猶予期間を鑑みても遅くても2021年6月には義務化されることが決まっています。対象事業者は食品を製造・加工・調理や販売するすべての事業者で、レストランや居酒屋といった家族で経営しているような規模のところも例外ではありません。様々なコンサルタント会社でもセミナーや勉強会も行っていますが、厚生労働省でもHACCP導入のための手引書を業界団体と協力して作成しています。食肉製品編、漬物編、豆腐編といった細かい手引書にもなっているので、自分の事業形態ではどのように取り入れたらいいかわかりやすくなっています。